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ITインフラの仕事をすることになった君へ、悲劇のはじまりと抜け出し方 その1

「ITインフラの仕事をすることになった君へ」をこれから連載したい。

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これまでの連載記事はこちら

ITコンサルティングの幻想と現実、それでもITコンサルタントになる君へ その1

ITコンサルティングの幻想と現実、それでもITコンサルタントになる君へ その2

ITコンサルティングの幻想と現実、それでもITコンサルタントになる君へ その3

 

 

ITインフラとは何か

ITインフラとはサーバ・ネットワーク・セキュリティからJP1やHULFTFTPなどのミドルウェア、アプリケーションの基盤設定までを指す。

 

たとえばアプリケーションのSAPにおいてもインフラの人間はSAP BASISと呼ばれ、Configの移送管理や言語設定、ユーザ管理なども担当するケースが多い。

仕事としては構築はもちろん、維持管理、アプリチームとの調整なども行う。

スタッフは構築系や維持管理の作業が中心となるが、階級が上のITインフラの人間はライセンスの管理、費用の見積もりなどを行う。

(個人的に、ITインフラのキャリアのゴールは費用の見積もりおよび提案にあると考えている)

 

私は新卒で外資系ITコンサルの企業に入社し、最初の仕事がITインフラ・基盤の仕事だった。

理由としては、新人研修で「システムの点数が良かったから」とのこと。

私の希望は会計やPMOの仕事だったのだが、これらのプロジェクトには基本的に新人研修で「システムの点数が悪かった者・ITアレルギーを早々に発症した者・ノリだけは良い者」を優先的にアサインしていく。

 

新人研修で頑張ってしまったことが悲劇の始まりであった。

(新人研修で徹底的に手を抜けばよかったと後悔・・・苦笑)

 

 

最初の仕事(入社1年目~2年目)悲劇編

新人研修でシステムの点数が良かったとはいえ、私はサーバやネットワークの仕事の経験はない。知識もほとんどなかった。

黒い画面(Windowsコマンドプロンプト)にはかなり抵抗があったし、コマンドを打つということの意味がわからなかった。

 

アサインして最初の仕事は「システム移送」と「維持管理」という仕事。

SAPやOracleなどのパッケージシステムでは「移送」という概念がポイントとなる。

開発機にて作業すると、その作業が記録されオブジェクト化される。そのオブジェクトをテスト機・本番機にコピーするのである。移送とはこのコピー作業を指す。

 

正直なところ、新人でこの仕事はハズレといってよい。

プロジェクトの目的・システムの全体像や目的といったことが全く見えない。

アプリチームが何をしているのか、システム基盤の仕事から推察するのはかなりの至難である。

逆にアプリチームやPMOであれば、プロジェクトの最前線であり、システムを構築する目的がはっきり見えてくる。自分がどの立ち位置にいて、何がリスクなのか、目的は何かなどを比較的把握しやすい。

 

話を戻すと、私は1年間にわたり、この「システム移送」の仕事を担当していた。

アプリチームが設定しオブジェクト化された「謎の設定値」を1年間移送し続けた。

インフラの課題管理や会議の資料作成の仕事も多少はあったが、メインはこの移送であった。

大きな失敗はないが、大きな成功もない。誰がやっても同じとなる仕事。

 

1年経ち、正直なところ何のスキルも得た気がしない。

サーバの知識やネットワークの知識といったこともほとんどついていない。

サーバの知識やネットワークの知識は構築の仕事でつくものの、私が担当していた維持管理系(保守・運用)ではあまりつくことはない。特にインフラ系初心者にとっては顕著であろう。ある程度の知識があれば維持管理からも得られるものはあるのだろうが、全くわからなかった。そして興味もなくなっていった。

 

かなりの焦りがあったし、自分の存在意義について毎日考えていた。

 

そして考えに考えた末、私が起こしたアクションは「上司にとりあえずキレてみる」と「プロジェクトに反旗を起こす」という自殺行為であった。

 

 

続く

 

↓こちらの記事にも当時のネタを書いてありますので併せて読んでください。

www.vent-strategy.com