海外ベンチャー通信

外資系ITコンサル→海外事業の戦略コンサル

ITコンサルの次にあるもの

大企業が基幹システムを入れ、その導入やリプレイスが非常に難しいということから
2000年代からITコンサルという職業が生まれた。

だが、そのITコンサルも実態としてはITエンジニアのコントロール業務に近く、
また、システムがコモディティ化してきていることから
ITコンサルという職業が徐々に淘汰されていくのではないかと思う。

ITコンサルも経営者やCIO向けのコンサルティング業務であれば
まだ独立しやすかったりするのであるが、大企業の情シス向けのシステム導入の業務であると
なかなか担当者と顧客といった関係になりにくく独立しにくくなるのではないかと思う。

実際私も、前職では大手外資ITコンサルと呼ばれる企業に入社した。
入社前はスキルや顧客を捕まえて独立したいと考えていたが、実態としては大企業の情シスに常駐といった形であり、
顧客も現場レベルということから、独立するような力はつかなかった。




ITコンサルを通じて得た力といえば、顧客折衝の能力というよりは
システム構築やテクニカル的な面がメインであったと思う。

一方で現在は海外戦略コンサルの仕事についたわけだが、
身に付いた能力は顧客折衝の能力がメインとなる。
そのため業務の現場というものはたまにわからなくなることもある。
また、システム予算よりも圧倒的にコンサル予算はつけにくく、いくつもの案件を同時にこなさなければ生活することができない。
そのため体力・時間が大幅にきつくなっていく。
戦略コンサルのほうが儲かるというイメージがあるが、
それは実態としては少しカラクリがあり、どう考えてもITコンサルのほうが収入は安定する。
戦略コンサルは全体のパイに上限があるため、人数は少数精鋭にせざるをえない。一方でITコンサルはパイに上限がないため、とにかく人数を増やそうという思考回路に走るわけである。

まとめるとこんな感じである。

【戦略コンサル】
ターゲット:経営企画部、事業部、企画系部署
身に付く能力:顧客折衝の能力、ストーリーを描く・創る能力
得たもの:顧客、経営に関する視点
失ったもの:時間、体力、友人、金

【ITコンサル】
ターゲット:情報システム部、事業部、情報系子会社
身に付く能力:システム構築に関する全ての力、社内調整力
得たもの:金、時間
失ったもの:独立心・独立の機会・経営に対する視点




現在の仕事をしていて、
色々な業界の海外・国内のマーケットを見てきた。
ITコンサルは淘汰され、エンジニアという職業になっていくことは間違えないのだが、

次の新しい職業として「B&M&Eコンサルティング」というものが生まれるのではないかと思う。
Bはビジネス、M&Eはメカニカル&エレクトロニカルを指しており、日本ではあまり浸透していないが、欧州系では一般的に普及している。
日本ではゼネコンがMEの役割を担っているためMEコンサルが浸透していないのだと思う。

IoT時代と叫ばれているが、まだ一向に浸透してない。
これは色々理由はあると思うが、IT・機械・ビジネスを全て見れる人間が存在せず、それぞれが独立して動いているからだと思う。
またIoTを導入のコスパを把握できる顧客も提案できる人間も存在しない。

日本では文系が企画、理系がエンジニアというように完全にわかれた組織になってしまっていることが起因しており、
企画とエンジニアリングの両方を見れる人間を大事にできる組織体制になっていないことも1つ理由としてあると思う。


などなど色々思い付きで書いたが、とりあえずMEについてこれからウォッチして書いていきたいと思う。